サマーキャンプというと、ボーイスカウトやガールスカウト、そしてYMCAなどで開催されている、いわゆるアウトドア&サバイバルというイメージを思い浮かべる方が多いと思います。
アメリカはサマーキャンプ発祥の地であり、歴史は100年以上にも遡ります。現在、アメリカ全国には1万以上のサマーキャンプがありますが、中には50年以上の歴史を誇るプログラムも少なくありません。しかし、一言でサマーキャンプと表現されても、最近のサマーキャンプの内容は、実際は大きく変わってきているのが現状です。
皆さんもご存知のように、子どもたちを取り巻く環境は、世界的に著しく変化しています。子どもたちは、これまでに例を見ないほどの社会的暴力、落胆、ゆとりの無さに直面しています。大人になることを強いられるプレッシャーは、年少のこともたちにもどんどん広がっています。このような子どもたちを取り巻く環境の変化を背景に、アメリカのサマーキャンプへのニーズも、変化しています。
現在、アメリカのサマーキャンプは、Traditional Summer Camp - ユニフォーム、宗教活動、国旗掲揚、カラーウォー(色別のチームに分かれ、競い合うもの)、ミリタリー式訓練、サバイバル・ゲームなどを活動の柱にするプログラムと、Non-competitive & Less structured Camp - ユニフォーム、宗教活動、国旗掲揚、子どもたち同士の競争を一切廃止し、個人としての子どもの個性を大事にし、社会的にセンシティブな環境(暴力とは無縁であり、人種、宗教、国籍などにとらわれないコミュニティー)を、体験、そして理解する場を提供しているプログラムに、大きく分かれます。
Non-competitive & Less structured Campでは、
1、アメリカ国外からもキャンパーならびにカウンセラー(子どもたちと生活を共にするスタッフ。大学生または大学院生)を、積極的に募集しています。
プライベートの湖をまるごと抱えているような、素晴らしい雄大な自然の中に、社会的にセンシティブなコミュニティーを創り出すことにより、子どもたちに、”異なる”ことが、決してネガティブなことでないことを、自然に考えさせ、理解させる。このような環境で4週間あまり共同生活することにより、他人を思いやる気持、その気持を行動に移す実行力、そして忍耐力を学ぶ。
海外からの参加者のために、ESL(English as Second Language)クラスを提供しているプログラムも少なくない。例年、15〜20ヶ国からキャンパーならびにカウンセラーが参加しているプログラムもある。特に、米国東海岸の優良サマーキャンプでは、ヨーロッパ諸国から多くの子ども達が参加している。
2、スポーツやアウトドア活動だけでなく、クリエイティブ・アート関連の活動も豊富に取り入れており、施設も充実しています。
陶芸、ステンドグラス、シルバー細工、フォトグラフィー(暗室で現像まで体験するもの)などの設備のほかに、最近では、コンピュータ・グラフィック、レコーディングスタジオ、各種ダンススタジオ、ビデオスタジオ、クッキングスタジオなどの設備を備えているプログラムもある。
3、パフォーミング・アート関連の活動も、豊富に取り入れています。
プロのミュージシャン〈クラシックからブルースまで)やダンサーを招いてのレッスンならびにパフォーマンスを提供している。各種楽器のクラスのほかに、様々なスタイルのダンス・レッスン(クラシック、ジャズ、ヒップホップなど多数)も提供されており、どのクラスにも、初心者レベルから参加できる。
*上記項目2と同様、子どもたちに自己表現する力、自信をつけさせることを目的としているため、評価点などいっさい無く、レッスンを選択した子どもたち全員に、発表の場を与えている。
4、社会奉仕活動、環境保護研究&奉仕活動のプログラムも取り入れています。
現地コミュニティーとの協力のもと、キャンパー達に様々な社会奉仕に参加する機会を与えている。また、大きな自然の存在を身近に感じながら、環境問題を提起し、ディスカッションをしたり、保護活動に実際に参加する機会も与えられている。日本においては、まだ新しいボランティア精神&活動について学ぶ良い機会。環境問題については、小さなテントで生活しながら自然について考えたり、キャンプならではの演出もある。
5、アクティビティー選択の自由を、子どもたちに与えています。
スポーツ、アート、その他分野に関連したアクティビティーを40種類以上も提供しているキャンプも少なくない。多種類あるアクティビティーから、キャンパーが各自好きにアクティビティーを選択できる。海外からの参加者(英語の不得意なキャンパー)のために、予めいくつかのアクティビティーを選択できる、Pre-assignment/事前登録のポリシーを持っているキャンプもある。
スポーツやアート関連のアクティビティーからバランス良くアクティビティーを選択することが理想とされるが、選択に関して、キャンプが子どもに強要することは一切無い。保護者の意向(泳げるようになって欲しい。アートの作品を作ってきて欲しいなど。)をキャンプ側へ伝え、子どもの選択に反映させることは可能だが、あくまでも子どもの希望が優先される。
6、食事に対する配慮も十分にされています。
様々な理由から(アレルギーや宗教上の)食べられるものに制限のある参加者のために、特別なメニューを提供するなど、細やかな配慮が払われている。特に、年少のキャンパーに対しては、バランス良く食事をしているかどうかも、担当のカウンセラーがきちんとチェックしているキャンプもある。この機会に、これまで食べることのできなかったものが、食べられるようになった子どもも、少なくない。
ジャンクフードを一切禁止しているキャンプもあり、ハンバーガーやホットドックのような、いわゆるキャンプフードは、時代遅れのようである。
日本の保護者の方へ、
サマーキャンプというと、宿泊はテントで、アクティビティーはアウトドア、という固定観念を持っていらっしゃる保護者の方も少なくないようです。「サマーキャンプは危険なので、サマ−スクール形式のプログラムを希望します。」というお問い合わせをよく頂きます。
これまでに、サマーキャンプへ日本から参加されたお子さん達と、その保護者の方々から寄せられた感想に共通していますことが、「自信をつけることができた!」です。日本から英語もわからずに参加してくる子どもたちにとって、最初1週間は、辛いことも多くあるようです。ただ、ここで大きな自然に抱かれた”懐の深い”環境が、言葉ではなかなか表現できない”ちから”を、子どもたちに与えてくれるようです。
普段、このような雄大な自然に接する機会の無い私たちには、なかなか想像できませんが、それぞれのキャンプを訪れましたときに、なんとなくわかるような気が致しました。
「みんなすごく良い人だった。自分もまわりの人に親切にしなくちゃと思った。‐12才」、「空を見上げたら、すごく星がきれいだった。‐13才」、「答えは必ずしも1つでないんだな、と思った。‐16才」、これらは、過去の参加者から寄せられた感想です。Nature, Community, Freedom, Lovaという4つのエレメントがすべて存在する環境が、現実性の無いものとなっている中で、たとえ一夏でも、このような環境を子どもたちに体験させ、”子どもが子どもらしくいることのできる場”を提供しているのが、“新しい形のキャンプ”です。
特に、お子さんを日本から初めて海外のプログラムへお送りになる場合、年齢やバックグランドにもよりますが、私どもとしましては、この“新しい形のサマーキャンプ”を、是非お勧めしたいと考えております。
Written by Danyeun Tammy Kim-Weaver, American Summer Opportunities Association主宰
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Danyeun Tammy Kim-Weaver略歴
フェリス女学院大学文学部国文科卒業
ボストン大学経営大学院・MBA修士過程在学中に、日本に住む甥のための
サマーキャンプ探しをきっかけに、米国東海岸周辺にある優良サマープログラ
ムのコーディネーションを始める。
1996年、American Summer Opportunities Associationを設立。

現地在住のフットワークを生かしながら、現地でも評判の高いプログラムのみを扱っている。アメリカ国内では一切広告をしていないにも関わらず、例年3月には募集を締め切っている非常に人気のあるニューイングランドの代表的なキャンプのExclusive Agntでもある。毎年、ボストン周辺で開かれる、サマープログラムフェアなどに出席し、最新の情報を収集すると同時に、各プログラムディレクター達と直接話をする機会も大切にしている。
遠くからお子さんを送出す保護者の方の立場に立って、コーディネーションを提供する姿勢は、甥のためのサマーキャンプを探した当時から変わっていない。日本の子どもたち、そして大人の方達にも、生涯忘れることのない思い出となり、同時に心の糧となる、様々なOpportunityを提供することが、American Summer Opportunities Associationのミッションである。
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